倒産防止共済(経営セーフティ共済)は掛金5,000円から5,000円刻みで月額20万まで掛けることでき、得意先が倒産した時資金ショートに備えることが出来る共済制度です。
得意先倒産のリスクヘッジ以外にも、決算対策(節税)としても使えるのが本制度で、掛金を1年分前納することによって、支払った事業年度の損金・必要経費に計上できることもあり、活用している会社も多く、決算が近づいてくると、掛金の増額・減額や、前納で一括で払うかどうかなどを考慮する必要が出てきます。
得意先の倒産に備えるというより節税対策として使っている会社が多い印象です。一旦資金をプールしておいて、その金額がいわば経費になるのですから、節税としては抜群の効果があります。解約時には法人税、所得税においては課税の対象になりますが、資金不足で赤字の時になりそうな時に受け取るパターンがほとんどだと思います。
↑倒産防止共済についても書いてあるオススメの書籍です。ひとり社長でなくても中小企業で働く方にもオススメです。
今回は、その掛金の増額・減額と前納について書いていきます。
この記事を読んでわかること
- 共済制度の概要
- 掛金変更と前納の届出はいつまでに提出しなければならないのか
- 提出を忘れた時の対処法
倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)の概要
倒産防止共済制度とは、中小企業が取引先の倒産等により資金繰りが困難になった場合に、無担保・無保証で資金を借りることができる制度です。中小企業庁が運営しています。
倒産防止共済制度の加入条件は、以下のとおりです。
・掛金は月額払い又は年払いで納付します。
・倒産防止共済制度の借入限度額は、掛金の10倍です。ただし、上限は8,000万円です。
・倒産防止共済制度の借入期間は、最長7年です。
・倒産防止共済制度の返済方法は、毎月均等に返済します。
倒産防止共済制度は、中小企業の経営を安定させるための重要な制度です。倒産防止共済制度に加入することで、取引先の倒産等により資金繰りが困難になった場合でも、無担保・無保証で資金を借りることができます。また、取引先等の倒産等が生じていなくても、一時的な事業資金の借入を行うことも可能です。
決算対策の掛金変更、掛金前納届出書はいつまでに出すの?
基本的に引き落としを変更したい月の前月か前々月に委託団体に提出する必要があります。前月以前に提出すると受け付けてもらえないことがあるので前月に提出しましょう。ちなみに新規申込は決算月でも間に合います。
また一括で納付する掛金前納届出書についても同様に引き落とし日(27日頃)の属する月の前月か前々月に提出する必要があります(新規申込みは当月に振り込めば当月申込でもイケるはず)。決算の数値の見込みの関係もあるため、前月に提出するといいでしょう。
私の勤め先の事務所はTKCの会計事務所なので、委託団体はTKC企業共済会であり、届出はシステムで作成するのですが、書類の作成時に引き落とし開始日を翌月もしくは翌々月しか選択できません。
ちなみにTKCの会計ソフトは非常に使いずらいため中小企業にはオススメしません。
弥生、freee、マネーフォワード等の会計ソフトがオススメです。
前納は前払いのような感じで、将来の1年間分を一気に支払うというもので、節税対策として、毎年決算の前月に月額を決め、その12ヶ月分を支払うというスキームです。毎年前納する場合でも毎年期日までに前納届出書を提出しなければなりません。放っておくと、月払いに戻ってしまいます。
届出を出すのを忘れてたら?
届出を出すのを忘れていても、気付いた時点で提出し、当月の5日までに中小機構に受理されれば、その月の引落に間に合います。
あぶねー!3月1日に気づいてよかったぜ!
「掛金月額変更申込書」であれば、受理されたのが5日以後だと、希望月の翌月又は翌々月に2ヶ月分増額又は調整がなされます。
「掛金前納届出書」についても、受理されたのがその月の5日までなら、当月に引き落としが行われ、その事業年度の損金・必要経費に算入することが可能です。
ですので前納であれば決算月に入っていたら5日(余裕を持って4日の方が吉)まで着くように速達で出せばOKです。最近は土日の配達も無くなりましたし、郵便が着くのが遅いので速達が確実です。また、当月から金額を変更したい・前納したい旨の電話伝えた方がいいでしょう。
委託団体によるのかもしれませんが、TKC企業共済会だと変更したい月を翌月か翌々月しか選べないため、翌月にして、2重線で決して当月に直し、共済会にFAXで書類を送信し確認してもらった後、2重線に訂正印を押して速達で郵送することになります。共済会は書類が到着してから翌営業日に中小機構に提出するため、共済会の人に怒られるのでどうか余裕を持って行動を・・・。以前、「今回だけ特別ですよ」とお叱りを受けました。
まとめ
・掛金変更の申込書・前納の申込書は、引落金額を変更したい月・引落をしたい日の前月に提出する。
・当月に入っても1日、2日くらいまでなら委託団体に連絡し、速達で送れば何とかなる。
ちなみに「掛金前納届出書」、「掛金月額変更申込書」については委託団体によるかもしれませんが、オンライン提出ができるようになりました。この間前月に提出できなかったときはシステム上当月が選択できなかったため、委託団体に電話して、慌てて速達で郵送するハメになりましたが。。。
みなさんも余裕をもって書類提出するようにしましょう。
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