最近、インボイスや改正電子帳簿保存法などにより、会計ソフト導入のための補助金の話を耳にする機会やサポート・相談されることが多くなってきました。そこで今回はIT導入補助金について書いていきます。
今回はIT導入補助金を採択されるためのポイント、注意点について書いていきます。
申請時のチェックリストもご活用ください。→個人用チェックリスト、法人用チェックリスト
IT導入補助金とは
IT導入補助金は、企業や団体が情報技術(IT)を導入・活用するために支援するための補助金制度です。主な目的は以下の通りです。
- IT導入促進: ITの活用によって業務効率の向上や生産性の向上を図り、企業や団体の競争力を高めることを目的としています。
- 技術革新の推進: 先進的なIT技術やシステムを導入することで、新たなビジネスモデルやサービスの創出を促進し、産業の発展やイノベーションを支援します。
- デジタル化推進: ペーパーレス化やデジタル化の推進を通じて、環境負荷の軽減や業務の効率化を図り、社会全体のデジタルトランスフォーメーションを推進します。
現時点では採択されるのは簡単(デジ枠)
通常枠(A・B類型)、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)がありますが、今回はデジタル化基盤導入枠についてお話します。
詳しい申請の手続きはIT導入補助金2023をご覧ください。
デジタル化基盤導入枠は、申請がすごく簡単で、採択率は確か2022年は平均80%代だったと思います。(ちなみにTKC会計事務所だけだと90%代らしい)。
ソフトの購入費用(導入費用も含めて)が3/4補助に加えて、パソコンなども半分補助が出ます。(全て税抜が対象)
ソフトがレンタルの場合は、2年分の補助となります。
申請には以前から事業を行なっていることが条件の一つでありますが、前期分の確定申告書を提出しなければなりません。確定申告書の受付印がない場合は、納税証明書(その2)を取得すれば申請できます。
このデジタル化基盤導入枠は、今のところ、採択されない人は、何故不採択になるのかがわからないほど、簡単です。難しい計画数値を入力することもなく、基本的には選択肢に答えていく形で申請フォームを作っていきます。むしろフリーで記載できるアピールポイントを記入するところがないため、逆に不安になります。序盤の事業内容を入力するところで自由に文字が入力できるので、500文字以内で補助金を受けることが自社にとってどうプラスに働くのかを入力しましょう。
不採択になった人は選択肢を選ぶ際に、補助金を受けても意味がないような選択肢を選んでしまったのだと思います。しかし選択肢を見ると「これは選んじゃいけないな」という項目はわかりやすいのでそれを避ければ良いだけの話です。IT導入にプラスに働く選択肢は積極的に、かつ大胆に選んでいってください。今のところ、IT導入補助金の通常型や、事業再構築補助金のように、後に目標を達成したかどうかの事業報告は必要ないからです。
そもそもの話、申請はパソコンで行わなければなりませんが、そのパソコンの購入するための補助金という意味合いもあると思うが・・・矛盾している気がしないでもない・・・。
注意点
「みらデジ」の経営チェックが必要になりました
IT導入補助金2023から、「みらデジ」の経営チェックが必須となりました。特に難しいことはなく、こちらも基本的に選択肢を選ぶだけです。最初にフリー記載の欄がありますが、考えるのがめんどくさい場合は空欄でも良いと思われます。
gBizIDプライムの取得をお早めに
gBizIDプライムは、IT導入補助金に先行して取得していないといけません。そうでないと、序盤で先に進めなくなってしまいます。1ヶ月ほど余裕みてあらかじめ先にgBizIDプライムをとっておきましょう。なお、申請書には印鑑証明書と印鑑が必要です。
「通帳」から振り込みしなければ対象になりません
現金払いは対象になりません(領収書に印紙貼ってあったらダメ)。支援事業者に支払ったという証拠能力が弱いためです。申請の際に通帳の摘要欄に印字がされる通帳からの振り込みが必要です。間違えてしまったら返金してもらって再度振り込みすることになり時間のロスにも繋がってしまうので要注意です。
まとめ
現時点R5/5/28でのIT導入補助金申請のデジタル化基盤導入枠の申請は簡単で、間違った選択肢を選ばなければいいだけです。ソフトやパソコンの購入費用の一部が補助されます。重要な申請条件の一つとしては前期の確定申告書が必要です。
注意点として、みらデジの経営チェックやgBizIDプライムの取得、預金通帳からの振り込み支払いが必要です。
追記6/1
つい最近、IT導入補助金2023の第一回の交付決定事業者が発表されました。基本的には、1次締切分の採択率は高めになる傾向がありますが、なんとデジタル化基盤導入類型は採択率が60%代と以前より低くなっています。「えっなんで!?」と思ったのですが、書類の不備や、「みらデジ」の経営チェックを実践せず申請してしまった事業者さんが多いようです。書類の不備も合わせて忘れずに慎重にやりましょう。
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