商工会議所に入会した方が良いか否か(入会するメリットについて)

保険

たまに経営者の方や新規創業した方から商工会議所に入会した方がいいかの相談をされます。

・「商工会議所に入会するとどんなメリットがあるの?」

・「なんで商売やってる人は商工会議所に入ってる人が多いの?」

そんなことを思った人も多いのではないでしょうか。

以下に自身の経験をもとに、商工会議所に入会することについてのメリットをまとめてみました。

↑こちらの書籍もよくまとめられており、一読の価値ありです。

マル経融資が受けられる

商工会議所の会員であれば、日本政策金融公庫のマル経融資という貸付金制度を利用することができます。詳しい要件・概要は公式ページをご覧ください。この融資制度の良いところは、担保なし・保証人なしで2000万円まで借入ができる点です(利率は現在1.09%)。これは非常に大きなメリットです。入会したばかりの事業者はこの制度を受けることは難しいかもしれませんが、ずっと無借金で経営してきた会社で、会社の建て替えなどの入用の際には金融機関に相談するより商工会議所に相談してこのマル経融資を受けた方が色んな面で安心できます(実際にそのような経営者に相談されてマル経融資という制度があることを伝えたところ、喜ばれました)。ですので、商工会議所の恩恵を受けていなくとも、会費だけを払い続けるのも、来たるべき出費のためと考えれば決して無駄とはいえないでしょう。

ちなみに日本政策金融公庫は政府系の金融機関で、民間の金融機関の副次的な支援機関として位置付けられると思いますが、創業支援などの相談にも乗ってくれます。

同業・他業との交流(人脈形成)

商工会議所の会員になれば、その地域の事業者の経営者と交流・情報交換をすることができます。YEGなどの会に入れば、更に濃い繋がりが形成でき、ビジネスの幅が広がり、もしかするとプライベートも充実するかもしれません。友達の社長と一緒に、その社長と商工会議所で一緒の人が営んでいる居酒屋に行くとサービスしてもらえるのでありがたいです(笑)。

サービス業、建設業、飲食業、デザイナー、小売・卸売など地域のあらゆる業種の人と知り合いになれますし、その縁が将来何かしらのビジネスチャンスになったという話もよく聞きます。飲み会などではオフレコ話も聞けます。若い経営者は、「タネを巻いておく」という意味でも加入する余地はあります。また、市議会議員などの選挙に出馬する際にも過去の経歴・実績として活きてくる場合もあります。あと私の知り合いの社長は昔商工会議所で働いていた人と商工会議所で出会い結婚してました。笑

ただ、YEGやJCは割と頻繁に例会などがあり、若い方で時間的に余裕がない人や仕事が多忙な人は積極的には関わらない方がいいという話も聞きます。YEGに入会したばかりの人の中には「これ暇人のお遊びだな」と揶揄している人もいました。

色んな支援を受けられる

情報提供が受けられる

会員は、FAX・メールなどで、各種セミナー、補助金・支援金の情報を随時受けられます。勝手に送られてくるので、意外とこれを見て自社が受けられる補助金を知ったりすることがあります。

支援金・補助金支援

その補助金の中には、商工会議所会員になっていれば申請を手伝ってくれるものが多く存在します。しかも無料もしくは格安の金額で助けてくれます。

例えば、以前コロナ真っ只中の支援金で、「一時支援金」「月次支援金」「事業復活支援金」というものがあり、これを申請するには登録確認機関の確認を受けなければなりませんでした。登録確認機関には商工会議所が含まれており、会員でなくても私の知っている会社は最寄りの商工会議所に登録確認してもらえましたが、本来は会員にならないと難しかったようです。その他自治体の独自の補助金もコロナ関係のものが多くあり、そのほとんどが商工会議所に相談すべきものでした。

その他にも、少し前〜現在ですと省エネ推進のための補助金や持続化補助金、事業再構築補助金などがあり、飲食店・旅館業などで「トイレを全部洋式、ウォシュレットに替えたい」とか「電気を全部LEDにしたい」とか「自社のホームページを作りたい」とか思った時に使える補助金がたくさんあります。そのほとんどを商工会議所がバックについて支援してくれるので、申請のSTEPなど自分だけではわからないこともあるので非常に助かりますし、商工会議所の会員でないと申請できないものも多いです。

事業再構築補助金に関しても同様で、事業再構築補助金は補助金の金額も大きく申請のハードルも他の自治体が設けている補助金とはケタ違い高いので、金融機関とも相談しながら進めていくことになります。申請は外部の団体と協力して行うことが必須ですが、民間のコンサル会社の手数料は高額で、成功報酬でなく工数に応じて請求されることも多いと思いますので、採択されなかった場合にはトラブルの基になります。私の知り合いの務めるコンサル会社では訴訟に発展していました。商工会議所に支援をお願いすれば、お抱えの中小企業診断士や、専門の人もいますのでコンサルに頼むより費用を抑えながら申請することができます。

経営相談・研修・経理指導

経営相談やインボイス制度を始めとする研修、記帳指導などを行ってくれます。事業を始めた人たちにとっては非常にありがたいことも多くあり、特に記帳指導を受けると小規模の事業者だと税理士をお願いせずに自分でやっていくことも可能です。よく行く定食屋の店主が、「消費税の申告は自分で出来たけど、商工会議所の指導のおかげで従業員に払う源泉所得税の計算の仕方がわかってよかった」と言っていました。個人的には消費税申告の方が難しいと思いましたが、よくよく聞いてみると簡易課税だったため、簡単だったそう。それにしても源泉徴収の方が容易に出来そうだけどなぁ。源泉徴収の仕組みがわからなかったのかなぁ。

割引制度

商工会議所の会員が受けられるPL保険など各種保険・共済の割引制度があります。例えば保険会社が取り扱う業務災害補償プランなどは格安の保険料で入れて、幅広い補償を受けられるため、おすすめです。その他「ビジネス総合プラン」「休業補償プラン」など経営リスクに備えたり、福利厚生のための保険も保険料は安いと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。個人的には事業がある程度の規模になってきた会社・個人事業主(具体的には売上高1000万円〜でしょうか)は入会しても損はないかと思います。年会費はそれぞれの地域・会社の資本金等によって変動しますが、大体15,000円〜であり、分割で払うこともできます。会費は必要経費・損金に計上でき、消費税は不課税です。

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